夜空の月1つで感動する、空気の切れ味に反応する…。
地球という生命体に、日々生かされているということを決して忘れないプロデューサー森卓也氏のもとで、この「mother earth」は、生を授かりました。
もともと、生命体を強く意識させるオーガニックなイメージ、地球や空が振動するような音楽がものすごく好きだった僕は、「mother earth」の存在を知った時、もっと大きなフィールドで、多くの人たちに紹介できれば…という気持ちが強くなり、今回、参加することになったわけですが、情報社会の世の中で、人間が忘れかけている内なる意識が確実に生きている、それがこのアルバムです。何故、この音を生んでいるのか、発信しているのか、作り手の意識が深く強い祈りとなり、サウンドひとつをとっても、海、空、大地、もっと大きなところで宇宙に対する愛情とリスペクトがつまっています。
哀しいことですが、決して誰も支配することができないこの地球という星が、今は汚れた海や空とともに悲鳴をあげているのが、僕には聞こえてきます。地球と共存する一人の人間として、この星ともっと愛し合いたい、愛し合わなきゃいけない…。
そんな意識の中から、収録曲の<anna tumoru=母なる海>が生まれました。生きていると必ず汚れていく部分があるし、心の中にいらないものがたまってきますが、海の生命体、宇宙の生命体、そして地球…。肌の温度が違う生命体が溶け合うとき、汚れたものが全て洗い流せるのではないかと感じています。
限りなく海に近い人間の子宮の中にいるような、そんな母なる海に抱かれたとき、誰もがとても大切なことを思い出すのではないか、間に合うかどうかはわからないけれど、一人でも多くの人達が、自分や恋人や家族を愛するように、この星と接することができれば、どんなにいいだろう…。そういう気持ちをこめて参加したこの「mother earth」は、僕にとって大きく大切な一歩になりました。
僕のことをよく知っているファンの人達の中には、「SUGIZOは、なんでこんな地味なことやってるの?」と思う人もいるかもしれません。でも、このアルバムには、とても大切なことや、人種や考え方を問わず、身体の中に入り込んでくるような音楽がつまっています。だから偏見を持たずに触れてみてください。そして、僕のことを知らない人達にも、僕の中から自然と涌き出てきた大切な想いが、言葉がないゆえに大きなエネルギーとなってこのアルバムの中につまっているので、そういう部分を感じながら聞いてもらえたらと思います。
<SUGIZOプロフィール>
元LUNA SEAのギタリスト&コンポーザー。1997年、ソロ・アーティストとしての活動をスタートさせる。2000年12.月27日をもってLUNA SEAは終幕する。そして2001年には新レーベル“Inter LUXIZ”を発足すると共に様々なアーティストとのコラボレートや舞台、映画など、その活動はとどまることを知らない。
2002年3月公開の映画「Soundtrack」では、主演・音楽監督を務めた。